一旦ホテルに戻り、カオサンロードへ。

 


二度目のタイなのに行けてない所が多すぎる、ホントに。

 

カオサンロードはメジャースポットではあるものの、近くに駅が無い。

なので、ここはのんびりバスで向かってみることにした。

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ナナ駅からサイアム駅までBTSに乗り、そこからバスに乗る。

10分も走ればカオサンロードだ。

 

カオサンロードはかつてバックパッカーの聖地とされていた場所。旅行代理店が多く並び、アジアの玄関口として安宿を求める旅人の受け皿となっていたそうだ。

 

今はネットでどんな情報も手に入る時代。その役割を終え、今はやかましい夜のバンコクの象徴となっているらしい。

 

乗り慣れてきたBTSは特に何の問題も無く、サイアム駅へ。そこからバス停を探す。

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Googlemapを頼りにバス停に向かうと、パラパラと雨が降ってきた。

 

急ぐ旅行者がどんどんとタクシーを止めるが、私は特に急ぐ用事も無いので、バス停で雨宿りを兼ねてバスを待つことにする。

 

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バスは15番に乗ればいいらしい。のんびり待って10分ほどしたらバスが到着した。

 

バスに乗り込むと、車内に同乗している係員がどこまで乗るかを聞いてくる。

Googlemapを見せ、目的地を指差すと、係員が首を横に振る。

 

何?間違えた?

 

どうやら、バスの番号は合っているが、進行方向が違うらしい。

道路の反対側にあるバス停を指差し、そこに向かえ、と言われる。

 

なんということか!

 

運転手にドアを開けてもらい、慌てて下車。道路の反対側へと向かう。

 

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ここでもまたバスを10分、いや15分くらい待つことになってしまった。

雨は徐々に止みつつある。なんということか。乗り換えで既に30分くらい時間をロスしてしまった。

 

せっかく旅行に来ているのだから、移動に時間を使わずにもっとほかのことに使えばいいのに、と良く言われる。

しかし、ローカルの交通機関にのんびり乗ることも、アトラクションだと私は考える。と言うと聞こえは格好が良いが、実はローカルバスがただ好きなだけだったりする。

 

歩道橋の下で弾き語りをしているお兄ちゃんの歌を聴きながらバスを待っていると、お目当ての15番のバスが到着した。

 

ようやくバスに乗り込む。


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前回同様に係員が目的地を聞きに来る。はいはい。ここに行きたいんですーっよ、とGooglemapを見せる。が、今回はどうも勝手が違う。

どうした?また間違えたか?

 

英語で必死に「ここに行きたいんだ」と伝えるが、まったく伝わらない。どうやら係員の女性、なんと全く英語が話せないらしい。

今考えればそんなこともあるだろう、しかし当時は「バンコクは英語がどこでも通じる」と思っていたので大パニックだ。

 

つたない英語力を駆使して目的地の名前や方向を何度伝えても伝わらない。

 

あいにく私は英語以外の言語は一切わからない。その上、その係員は地図もイマイチ読めないらしい。
目的地がわからないとバスの料金が払えない。これは困った。

互いにボディランゲージでなんとかコミュニケーションを図るが埒が明かない。

 

日本人お得意の「ごめんなさい、またにします」を発動しようとしかけたその時、おばちゃんが急に私たちに割って入ってきた。

 

私に英語で聞く。「どこまで行くの?」と。

 

どうやら英語が話せるようだ。これは助かる。

 

「カオサンロードに行きたい、このバス停で下りたいんだ」と伝えると、彼女は係員にタイ語でそれを伝えてくれる。

急に理解した係員。私に料金を伝えてくる。

もちろんここでもおばちゃんが通訳に徹してくれる。バス代は数百円もしなかったと記憶している。

 

助かった…

 

ローカルの乗り物でひとり乗り方に手こずる異邦人。皆の視線が痛かったが、おばちゃんのおかげで事なきを得た。

 

無事に料金を払い終え、整理券の様なものを受け取る。あとは目的地のバス停に着いたら降りるだけだ。だが、その後もおばちゃんの話は止まらない。どこから来たんだ、カオサンへ何をしに行くんだ、タイには何度目だ、など。私の前の座席に座り私にずっと話しかけてくる。

 

ただ、相手は命の恩人である。ところどころ聞き取れなかったが、私もなるだけ彼女の質問に答える。

 

そんなことをしていると、あっという間に目的のバス停へ。そこでも親切に「ここで下りて左に向かいなさい」とおばちゃんに教えてもらう。もう完全に子供扱いだ。

 

私はそのおばちゃんに丁寧に礼を言い、バスを降りた。

おばちゃんのおせっかい焼き、それはどうやら世界共通の様だ。

 

観光客が訪れるような店の人はだいたい英語が喋れるような気もするが、中にはダメな人もいる。
おせっかいおばちゃんが英語が喋れたのはホントに運命としか言いようがない、当時はそれくらい感謝した。

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人生ってマジで、困ったときはどうにかなるように出来てるんだなぁ、なんてことを思いながらカオサンロードへと向かうのであった。